本書の特色は、何と言っても一流の古楽専門家(クリストファー・ホグウッド、ジョージ・プラット、ピーター・ホールマン、ダヴィット・モロニー、アンドルー・マンゼ、スティーヴン・プレストン、ジョン・ポッター、クリフォード・バートレット)による豪華執筆陣。内容は、「歴史的背景」「記譜法と解釈」「原典資料とエディション」といった重要な知識や情報と、鍵盤・弦・管楽器・歌唱の奏法がバランスよく収められている。当時の楽譜のファクシミリや絵画も掲載され、想像を助けてくれる。バロック音楽の演奏習慣や原典資料については、研究が著しく進んできたが、特にアマチュア音楽愛好家が、ピリオド楽器や奏法、楽譜エディションなどの知識を得るのに手ごろな書籍が少ないなか、本書は、アマチュア・プロの演奏家、リスナー、そしてバロック音楽の背景に興味があるすべての方に、啓発的な知識とインスピレーションを受け取ってもらえる1冊となっている。(音楽之友社)