【CD】福田進一＆E.フェルナンデス〈デュオ〜ウィーン・プログラムへの誘い〉リマスター盤

名手二人、深い解釈に裏打ちされた構築性高い快演

緻密で構築性高いアンサンブルが繰り広げられる、世界的名手2人によるデュオ作品集。プログラムは、ジュリアーニのオリジナル2曲に、シューベルトの弦楽四重奏をギター・デュオにアレンジしたもの、同じくハイドンのそれは、フェルナンデスが自ら編曲するなど、興味深い作品が並びます。（販売元）

約30年に及ぶ我々のコンサート活動は、日本やアジア諸国、さらにヨーロッパのみならず、キューバ、コロムビア、ブラジル、ウルグアイと世界各国におよび、吉松隆や武満徹のギター音楽の紹介、ピアソラのタンゴ、さらにブローウェルの新作初演など、実に様々なプログラムをこなしてきた。私たちにとって、3枚目となったデュオ・アルバムでは、シューベルト、ハイドン、ジュリアーニ、という音楽の都ウィーンに所縁のある作曲家を並べたクラシックの王道プログラムを選んだ。（福田進一ライナーノーツより）

福田進一とのデュオによる名盤の誉れ高い2011 年発売の本盤がリマスタリングを施され再発売された。
ここにはウィーンで活躍したハイドン、ジュリアーニ、シューベルトの作品が取り上げられている。
初盤発売時すでに巨匠の域に達していた福田・フェルナンデスの演奏は掛け値なしに素晴らしく、今回のリマスタリングによって音質もより向上し、聴き手は19世紀ウィーンのサロンさながら2人の巨匠が織り成す愉悦の時間に心行くまで浸ることができよう。
ジュリアーニの協奏風変奏曲も近年演奏されることが増えたように思うが、名曲の蘇演という意味でも重要なアルバムである。
ブリーム編のシューベルトはデモーニッシュな感情の起伏をドラマティックに表わす名曲。フェルナンデス編のハイドンは印象的な主題の第1 楽章から終楽章のフーガ形式のロシア風舞曲まで古典室内楽の粋を極めた作品で、楽譜も出版されており頻繁に演奏されて良い傑作。 （中川政弘／現代ギター2024年8月号より）

[収録曲]
デュオ・イ短調［原曲：弦楽四重奏曲第9 番ト短調D.173］（シューベルト〜ブリーム）
3 つのロンド風ポロネーズOp.137（ジュリアーニ）
協奏風変奏曲Op.130（ジュリアーニ）
デュオ・ホ短調［原曲：弦楽四重奏曲ニ短調Op.42Hob.III-43］（ハイドン〜フェルナンデス）

※本盤収録のフェルナンデス編「ハイドン：弦楽四重奏曲Op.42」の二重奏用曲集が、現代ギター社より発売。ぜひ併せてお買い求めください。