1-4. パット・メセニー:Four Paths of Light(演奏:ジェイソン・ヴィーオ)
5-10. パット・メセニー:ロード・トゥ・ザ・サン(演奏:LAGQ)
11. アルヴォ・ペルト〜パット・メセニー:アリーナのために(演奏:パット・メセニー)
ジャズというジャンルのみならず、ありとあらゆる音楽を制作し、ジャンルという枠組みを飛び越えながら30年以上にわたり第一線で活躍を続ける、世界最高峰のギタリスト、パット・メセニー。常に新たな挑戦を自らに課し、革新性と卓越性を探求し続ける数少ない現役アーティストの一人である彼が、また新たなステージへと踏み出した。昨年発表された『FROM THIS PLACE』から約1年ぶりとなる最新作『ROAD TO THE SUN』は、MODERN RECORDINGSからの第1弾作品となるだけでなく、"現代作曲家:パット・メセニー"をフィーチャーしたアルバムだ。
『ROAD TO THE SUN』の核をなすのは、メセニーがクラシック・ギターの為に作曲した2つ組曲である。この2曲の作品を通し、彼はジャンルの枠組みを再び飛び越え、ギターという楽器の可能性を新たに示しながら、誰が聴いてもパット・メセニーだと分かるサウンドを作り上げている。アルバムの前半に収録されているのは、4楽章からなるソロー・ギター組曲「For Paths Of Light」。この楽曲でメセニーに抜擢されたのが、グラミー賞受賞経験を持つ、アメリカのクラシック・ギタリスト、Jason Vieaux。"彼の世代で最も正確でソウルフルなクラシック・ギタリスト"とNPRが評した彼は、メセニーとのコラボレーションについて次のように語っている。「パットと仕事をするのは、私にとって夢みたいなものだった。彼のインプロヴィゼーションによるソロをいくつもそらで覚えているけど、彼の楽曲構成にはいつも魅了されていた」
また後半に収録されている、本作のハイライトとも呼べるタイトル・トラック、6楽章の組曲「Road To The Sun」を演奏するのは、こちらもグラミー賞受賞経験を持つLOS ANGELES GUITAR QUARTET。メセニー自身、"世界で最高のバンドの一つ"と高く評価するカルテットである。「この曲を作り始めた時、LAGQのメンバーは、5-7分の作品でも十分満足だと語っていた。でも気づいたら、複数のギターからなる編成の、30分近くもある6楽章の大作に取り掛かっていた。4人の卓越したギタリストたちがこれたの音を演奏したらどんな風に聞こえるだろうかと考えるこの上ない機会に没頭している自分がいたんだ。この作品は文字通り溢れ出てきたものだが、この楽器と彼らミュージシャンたちが示唆しているものを捉えようとするのと同じぐらい、私は自分自身が常に到達したいと考えている音楽の物語性、ストーリーテリングの要素を保ち続けることが重要だった」この楽曲についてメセニー自身はそう語る。
30年以上の時を経て、ジャズというジャンルのみならず、ありとあらゆる音楽を制作し続けてきたパット・メセニー。7つの作品を通じて、12ものカテゴリーより20のグラミー賞を受賞している。これほどの数を短期間で受賞した、唯一無二のバンド・リーダーであるといえるだろう。代表的な作品として、様々なアワードを受賞したソロ・アルバム、ハリウッドに提供した楽曲の数、そしてオーネット・コールマン、スティーヴ・ライヒ、チャーリー・ヘイデン、そしてブラッド・メルドーなどの数々の素晴らしきアーティスト達とのコラボレーションなどもあげられる。そのメセニーだが、この新たなアルバムにおいて、現代で最も重要な作曲家の一人であることも証明している。
そしてアルバムの最後を飾るのは、メセニー自身が42弦ギター用にアレンジし、演奏も手掛けた「Arvo Part: Fur Alina」。かつてチャーリー・ヘイデンが"カテゴリーを超えた"ミュージシャンだと評したパット・メセニー。ギタリストとしてだけでなく、作曲家としても同世代、そして後の世代にも大きなインスピレーションとなるであろう傑作がここに完成した。
(ワーナー)
※パット・メセニーのインタビューが『現代ギター21年8月号』に掲載されています。あわせてお楽しみください。
【スタッフのオススメ】
5-10. パット・メセニー:ロード・トゥ・ザ・サン(演奏:LAGQ)
11. アルヴォ・ペルト〜パット・メセニー:アリーナのために(演奏:パット・メセニー)
ジャズというジャンルのみならず、ありとあらゆる音楽を制作し、ジャンルという枠組みを飛び越えながら30年以上にわたり第一線で活躍を続ける、世界最高峰のギタリスト、パット・メセニー。常に新たな挑戦を自らに課し、革新性と卓越性を探求し続ける数少ない現役アーティストの一人である彼が、また新たなステージへと踏み出した。昨年発表された『FROM THIS PLACE』から約1年ぶりとなる最新作『ROAD TO THE SUN』は、MODERN RECORDINGSからの第1弾作品となるだけでなく、"現代作曲家:パット・メセニー"をフィーチャーしたアルバムだ。
『ROAD TO THE SUN』の核をなすのは、メセニーがクラシック・ギターの為に作曲した2つ組曲である。この2曲の作品を通し、彼はジャンルの枠組みを再び飛び越え、ギターという楽器の可能性を新たに示しながら、誰が聴いてもパット・メセニーだと分かるサウンドを作り上げている。アルバムの前半に収録されているのは、4楽章からなるソロー・ギター組曲「For Paths Of Light」。この楽曲でメセニーに抜擢されたのが、グラミー賞受賞経験を持つ、アメリカのクラシック・ギタリスト、Jason Vieaux。"彼の世代で最も正確でソウルフルなクラシック・ギタリスト"とNPRが評した彼は、メセニーとのコラボレーションについて次のように語っている。「パットと仕事をするのは、私にとって夢みたいなものだった。彼のインプロヴィゼーションによるソロをいくつもそらで覚えているけど、彼の楽曲構成にはいつも魅了されていた」
また後半に収録されている、本作のハイライトとも呼べるタイトル・トラック、6楽章の組曲「Road To The Sun」を演奏するのは、こちらもグラミー賞受賞経験を持つLOS ANGELES GUITAR QUARTET。メセニー自身、"世界で最高のバンドの一つ"と高く評価するカルテットである。「この曲を作り始めた時、LAGQのメンバーは、5-7分の作品でも十分満足だと語っていた。でも気づいたら、複数のギターからなる編成の、30分近くもある6楽章の大作に取り掛かっていた。4人の卓越したギタリストたちがこれたの音を演奏したらどんな風に聞こえるだろうかと考えるこの上ない機会に没頭している自分がいたんだ。この作品は文字通り溢れ出てきたものだが、この楽器と彼らミュージシャンたちが示唆しているものを捉えようとするのと同じぐらい、私は自分自身が常に到達したいと考えている音楽の物語性、ストーリーテリングの要素を保ち続けることが重要だった」この楽曲についてメセニー自身はそう語る。
30年以上の時を経て、ジャズというジャンルのみならず、ありとあらゆる音楽を制作し続けてきたパット・メセニー。7つの作品を通じて、12ものカテゴリーより20のグラミー賞を受賞している。これほどの数を短期間で受賞した、唯一無二のバンド・リーダーであるといえるだろう。代表的な作品として、様々なアワードを受賞したソロ・アルバム、ハリウッドに提供した楽曲の数、そしてオーネット・コールマン、スティーヴ・ライヒ、チャーリー・ヘイデン、そしてブラッド・メルドーなどの数々の素晴らしきアーティスト達とのコラボレーションなどもあげられる。そのメセニーだが、この新たなアルバムにおいて、現代で最も重要な作曲家の一人であることも証明している。
そしてアルバムの最後を飾るのは、メセニー自身が42弦ギター用にアレンジし、演奏も手掛けた「Arvo Part: Fur Alina」。かつてチャーリー・ヘイデンが"カテゴリーを超えた"ミュージシャンだと評したパット・メセニー。ギタリストとしてだけでなく、作曲家としても同世代、そして後の世代にも大きなインスピレーションとなるであろう傑作がここに完成した。
(ワーナー)
※パット・メセニーのインタビューが『現代ギター21年8月号』に掲載されています。あわせてお楽しみください。
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