福田進一 Shin-ichi Fukuda

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1955年大阪船場に生まれる。11歳より故 斎藤達也(1942-2006)に師事。

1977年に渡欧、パリのエコールノルマル音楽院にてアルベルト・ポンセに、イタリアシエナのキジアーナ音楽院にてオスカー・ギリアに師事した後、1981年パリ国際ギターコンクールでグランプリ優勝、さらに内外で輝かしい賞歴を重ねた。

以後30余年、ソロ・リサイタル、シャルル・デュトワ指揮N響など主要オーケストラとの協演、エドゥアルド・フェルナンデスとのデュオを含む超一流ソリストとの共演など、福田の国際的な演奏活動はとどまることを知らない。既に世界数十カ国の主要都市でリサイタルを行い、バロックや19世紀ギター音楽の再発見から現代作品まで、その幅広いレパートリーと、ボーダーレスな音楽への姿勢と演奏スタイルは世界の音楽ファンを魅了している。

教育活動にも力を注ぎ、その門下から鈴木大介、村治佳織、大萩康司といったギター界の実力派スターたちを輩出、それに続く若手たちにも強い影響を与えている。現在は、パリ、サンフランシスコ、アリカンテなど、世界中の音楽大学に招かれマスタークラスを持ち、上海音楽院(中国)、大阪音楽大学、広島エリザベト音楽大学、昭和音楽大学において客員教授を務めている。

近年の特筆すべき演奏活動として、キューバの巨匠レオ・ブローウェルから協奏曲「コンチェルト・ダ・レクイエム」を献呈され、2008年コブレンツ国際ギターフェスティバルにてライン州立響と世界初演、引き続き作曲家自身の指揮によりコルドバ管弦楽団(スペイン)にて再演、2011年秋には、この協奏曲をブラジルのサンパウロ交響楽団と南米初演、大成功を収めた。

ディスコグラフィーは、既に80タイトルを超え、近年ではスペイン音楽第2集「セビリア風幻想曲」が、平成15年度第58回文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞。2007年には「アランフェス協奏曲」(日本コロムビア)を発表。2011年から、ギターによる無伴奏チェロ及びヴァイオリン作品の全曲演奏を目指す「バッハ作品集」(マイスター・ミュージック)シリーズをリリース。『レコード芸術』をはじめとする専門誌で高い評価を得ている。また、2014年から「日本のギター音楽集」(ナクソス)シリーズを開始した。

平成19年度、日本の優れた音楽文化を世界に紹介した功績により、外務大臣表彰を受賞。さらに平成23年度芸術選奨・文部科学大臣賞をギタリストとして初めて受賞した。