小倉美英(フルート) Mie Ogura (Flute)
1973年香川県生まれ。高松第一高校音楽科卒。東京学芸大学在学中にピエール・イヴ・アルトーに見出され、渡仏。パリ国立高等音楽院にてピエール・イヴ・アルトーとソフィー・シェリエに、室内楽をアラン・ムニエに、アナリーゼをソランジュ・キャパランに師事。1999年フルート科を、2001年即興演奏科を審査員全員一致の最優秀賞で卒業。1996年よりイタリア・シエナのキジアーナ夏期音楽院にて、師オーレル・ニコレに「私の知る限りヨーロッパには彼女ほど素晴らしい知性を持ち迅速な反応を示す人はいない」(1997年「パイパース誌」インタビューより)と称され、3年連続で最優秀奨学生に選ばれる。
その後も即興を言語とする音楽の追求に情熱を傾け、バロック演奏をピエール・セシェに、ジャズ理論をジャン・シャルル・リシャールに、北インド音楽をパトリック・ムタルに師事、より幅広いジャンルに挑戦し続ける。「色彩の扇」とも呼ばれるフルートの概念を逸脱する奏法と圧倒的な表現力が高く評価され、ヨーロッパ各国を中心にオーストラリア、アメリカ、カナダ、日本などの室内音楽祭に招待される。また即興演奏の分野でも自らの作品発表に加え、即興集団アンサンブル「スフォタ」、サックスの平野公祟やギターの渡辺香津美との共演、ロビンソン現代ダンスカンパニーとの舞台共演など多彩な活動を展開。
フランスの現代音楽アンサンブル(L‘itineraire,Cairn,Entretemps,Triton2)と数多くの作曲家の作品初演、録音を手掛ける。現在、アタナス・ウルクズノフとのデュオ、ピアノのマリー・カトリーヌ・ジローとの共演が世界の注目を集めている。フルートとピアノの為のジャズアレンジ集「フルートジャズ・コーヒーブレイク」(トリム出版)を編著。作、編曲家としても多くの作品がある。現在パリ市立19区ジャック・イベール音楽院フルート科、即興演奏科教授。